とんぼや

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1123

富士に夕陽が落ちる日  

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 11月23日
 きょうは、わが町から見る富士山のちょうどうしろに陽が落ちる日。
 それは予想にすぎなかったのだが、通りがかった人が教えてくれて、図星というわけだった。
「息子は牛久沼へ撮りにいったよ」
 とそのひとはいった。
 うん、ロケーションでいえばここよりやっぱり牛久沼だろうな。

 以前、ここで、富士の真後ろに陽が落ちるのを見ている。
 おれにとってはそのときの感動がここに記念碑のように立ったままなのだ。

 おれは、かつての感動の記念碑そのものとなってここに立っているほかない。
 小貝川の土手で。
 142キロメートル先の富士に向かって。


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 この町では、晴れていれば富士がいつでもながめられる、というわけではない。
 きょうとて、雲もかすみもなく、遠望のきく天候であるにもかかわらず、いまにも地平の果てに沈みそうな太陽が、山の影による<日蝕>の様相を見せだして、はじめて富士の姿が明らかになったのだ。

 だから富士の姿が拝めるのは、夜闇につつまれるまでのわずかな時間である。

 富士はそうしてはかない出来事でもある。



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―富士が見え出す7、8分まえのこと―

自転車の荷台に幼い子を乗せたひとが立ちどまって訊く。
若い父親だ。
「なにを撮ってるんですか」
カメラを持って来るべきチャンスを待ってうろついていたおれは、自分でももうちょっと興奮気味なのに気づく。
「きょうは富士山の後ろにね、陽が落ちるんですよ。ちょうど真後ろにね」
そのひとは黙ってうなずく。
富士が現れるのは知っている、けれどもそうした瞬間にはめぐりあっていない。
そんな想いの感触がある。
小学生らしい女の子も連れての散歩であった。
家族三人はだまったまま土手道に足をとめたていた。

やがて富士が姿を見せはじめる。
いったりきたりしながらシャッターを切る。
家族は、山の影にかくれようとしている夕陽を浴びて風景にのりづけされている。
(山もいいけれど、かれらの姿もすてがたかったと、おれはあとになって気がついた。
やたらにカメラを向けられないが…。)

自転車にまたがったままの若い父親は携帯電話で話をしていた。
ひょっとすると、家のだれかに知らせていたのかもしれない。
「いま、、富士山を見ている」などと。
あるいは、富士を見てみるようにとすすめたかもしれない。
おやおや、庄野潤三さんの世界だな。
 

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Posted on 2008/11/23 Sun. 19:41 [edit]

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コメント

●mirokuさん、リンク歓迎です。

三脚を持って出かけたのですが、前景が気になってけっきょく浮気っぽく手持ちで歩きました。案の定、スッキリしない画像です。気持で押しまくっただけで、ハズカシイ。
mirokuさんのほうでは朝陽が富士から昇るのですね?
つぎは1月15日から3日間ぐらいは富士のうしろへの日の入りだそうです。
おととしの1月だったか、富士の後ろに光が円形(お盆)になっていたのを見たのでした。

こちらにもURLをのこしてくださればいいのに、とまえからおもっていました。どうぞよろしく。

七里 #Xu8tznmc | URL | 2008/11/23 21:26 * edit *

素晴らしいです。

す、す、素晴らしい光景です。
色合いはもとより、それ以上の“こだわり”がこうした作品を生み出すんでしょうね。
まずは、落日の大きさ“なんだこりゃ~!”です。
それと、町並み越しの自然が良いですね~。

所で、ご存じかも知れませんが私プログを開設していますが、そこにリンクここをリンクさせていただいて良いですか?

miroku383 #- | URL | 2008/11/23 20:27 * edit *
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