とんぼや

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0207

包丁/ざれごと  





包丁




折り目ただしく包丁だった
どこから見ても そつなく
包丁だった
木の柄 はがねの刃
とどめの鋲
引力に従順な やさしい重さ
それらひとつひとつ
ことあるごとのけじめのように
折り目ただしく
ひとに仕えた

  
金気をきらう食材があるように
饒舌をきらった
なれあいをきらった
結束をきらった
  

出刃でもない
柳刃でもない
菜っ切りと
愛称めく名が
ときに気恥ずかしかったが
呼ばれれば折り目正しく
菜っ切り以外のなにものでもない
ときどき磨かれるが
光ることじたい
身を磨り減らしたぶんの
いいわけだった

洗っても落とせぬ
汚れをまとった野菜たちが
有識者みたいな顔をして育っていた
花鳥風月を嗤うやつ
由緒の緒を切り捨てた
傲慢な野菜たち
薔薇という名の少年はつぶやいた
「きたない野菜たちよ」  
そうしてその首を切り落とした
薔薇もまた傲慢だった

いまや 折り目の正しさと
正義は合致せぬ
饒舌をきらい
なれあいをきらい
結束をきらったが
ついに 天地神明に誓って饒舌であり
たがいに主犯従犯であるほどになれあい
殺意のもとに結束した
そうして菜っ切りは
みずからふるい立たせるせるために呼ばわる


きたない野菜たちよ


注:薔薇という名の少年、きたない野菜など…
《汚い野菜共には死の制裁を》 神戸事件少年Aの記述


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Posted on 2015/02/07 Sat. 10:12 [edit]

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