とんぼや

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0313

金物屋からのぼる月/詩篇  



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金物屋からのぼる月




町の金物屋から
月がのぼった
売りものの のこぎりの刃を
ひおん
と さみしくならして

あおじろい顔は
かくしごとをするのに
もってこいだが おまえ
出口をまちがえたな

店主はといえば
合いカギ 作ります
と看板をいくつもかかげながら
たのんでも つくらぬ
たいしたかせぎにならない と
腹がすけてみえる
(ならば、かんばんをどけろ)

店主はおまえに どんな口をきいたか
あるいは口もきかなかったか

売りもののかなづちを
とん
とならして
金物屋から月がのぼった
ここぞと覚悟をきめた
入口をはいるなら
出口もきちんと計算しとけや

いましがた 亭主の脳天に
あかい星を埋めたのは
おまえみずからか
亭主の女房のほそい手か もはや
どっちにしてもおなじだが
にげたところが
金物屋の屋根では
しゃれにもならぬ
草刈機から ネジ
くぎ一本にいたるまで
こんやの一件で ほれ
しっかり光をたくわえた

こんやの月が
合鍵
とは わるい冗談
ならばついでに わらわせてくれや
こんやの月を
だれが
どこでつくったか


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Posted on 2016/03/13 Sun. 07:23 [edit]

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